罹患は女性が圧倒的に多く、男女比は1:9ほどにもなります。甲状腺機能が正常に保たれていれば、治療の必要はありませんが甲状腺機能が低下すると、橋本病の症状は、疲れやすい、寒がり、脱毛、肌のかさつき、顔や手足のむくみ、便秘、声がかすれるなどの症状が出現します
また、何らかの原因で、甲状腺の破壊が一気に進むと、「破壊性甲状腺炎」となり、甲状腺に蓄えられていたホルモンが一時的に大量放出されます。そのため甲状腺ホルモンが過剰分泌された状態になり、動悸や手のふるえ、体重の減少など、バセドウ病と同様の症状が現れることがあります。この場合、バセドウ病と誤診しないよう、特に注意をしなければいけません。
橋本病の抗体は血液で調べられますが、40代以上の女性の10~14人に1人の割合で自己抗体があるという結果も出ており、年齢が上がるほど陽性率が上がります。しかし、抗体があっても、7割以上の方の甲状腺は正常の範囲内で治療の必要はありません。実際に橋本病を発症し、治療が必要となるのは、陽性の方の1割程度と言われています。